2022年かなり話題になったビートルズのドキュメンタリー映画であるGetBack。
感想としては貴重なシーンも満載で、凄い映像なのは間違い無いのですが内容としてライト層にはややわかりにくい点もあります。
ここではGetBackを視聴する前に「最低限これだけは押さえておきたい」という点を挙げておきました。
映画GetBackは少しわかりくいかも知れない
ビートルズ自体は言わずと知れた超有名バンド。なので「GetBackも評価が高いので興味あるから見てみようくらい」という様な人も多いと思います。
ただ、少し待って欲しい。
形としてはドキュメンタリーではあるんですが、どういう状況なのか・そもそも何をやってるのか等、結構わかりにくい点も多いです。
Get Backはマニア向けの映画
というのは今回のGetBackは元々お蔵入りになっていただけあって、本来かなりマニア向けの内容です。
それは収録時間の長さからも窺えます(約8時間弱)。
ブルーレイだと3枚組(Disc1:156分、Disc2:173分、Disc3:138分)
既にこの長さから、見る人を選ぶ映画と言っても良いかも知れません。
評価の高さはビートルズにはマニアが多いからでもある
GetBackは映像の鮮明さや様々な曲の生のセッション・名曲が生み出された瞬間含む、貴重なシーンが満載で評価も非常に高いです。
当然コアなファン程、評価が高く、それが映画としての評価の高さに繋がっている点は否めません。
ただ、注意して貰いたいのはビートルズにはそもそもマニアが多いという点。
作り手側、観る側どちらもある程度知っている事が前提という様な内容として出された映像でもあるので、評価を鵜呑みにして視聴してもイマイチ状況がわからないという事もあり得ます。
という事で、ここからは見る前に知っておいて欲しい最低限の押さえていて欲しいポイントを挙げていきます。
GetBackを見る前に知っておきたい前提知識
今回発表されたGetBackは1970年に公開された映画LET IT BEを再編集したドキュメンタリー映画です。
手がけたのはロード・オブ・ザ・リングなどでお馴染みのピーター・ジャクソン監督。
とにかく古臭さが全く無くなった映像の鮮明さは凄いです。
映像が残されていた経緯
当時のビートルズは様々な理由から長く期間ライブが出来ないという状況にありました。
そこで原点回帰の為、ライブ案などが検討されますが、最終的にTV特番でのライブ演奏ならOKという事で全員一致します。
リハーサルでも番組としては使えるので、一応全てを撮影する事に。
この、後に「ゲットバックセッション」と呼ばれる約1ヵ月間の映像と音源が今回の映画の内容となります。
映画内でのメンバーの大きなミッションは2つ
上記の理由から映画内でのメンバーは2つの大きなミッションを抱える事になります。
- 一つはニューアルバムの制作
- もう一つは何らかの特番を成功させる事
見聞きしていた以上に見切り発車に近く、特に特番の方は直前まで全然具体案が決定しません。
内容としてはやたら揉めているというか、どうしていくのか相談のシーンも多いです。
結局プロジェクトは頓挫したという映画でもある
なので、もの凄く簡単にまとめると、今回の映画GetBackは
- 全曲新曲のライブをTV特番としてやる
- それをニューアルバムとして出す
- というサプライズ的なプロジェクトをやろうとして未完に終わる
という内容でもあります。
結果、プロジェクトとしては中途半端な形にはなってしまったものの、それでも伝説的なラストのルーフトップ(屋上)コンサートやLET IT BEというアルバムを生みだしたのはビートルズの底力を感じます。
ビートルズはこの後解散している
また、事実としてビートルズはこの少し後に解散する事になります。
今回のGetBackが注目された一つの要因として「ビートルズ解散になった真相」に触れられるのではという点があります。
長くなってしまうのでここに関しては割愛しますが、解散当時から今現在に至るまで様々な原因が囁かれています。特に昔はかなり恣意的というか特定の人物を貶める悪意に満ちた様な媒体もありました。
もちろん今回の映像が全てではないですが、意図的に歪められた情報ではなくありのままを見られる。
そういった意味でも今作はかなり貴重な映像で、実際コアなファンですら持っていたイメージが変わったという人も多いはず。
GetBackを視聴する前に聴いておきたい楽曲
最後は映画の中で出てくる楽曲について。
知っているかどうかでかなり面白さも変わるので、今回の映画に関連するアルバムなどを挙げておきます。
ビートルズは良く初期、中期、後期といった分けられ方をしますが、時期としてはいわゆる後期にあたります。
LET IT BE
今回の映画の大前提となるアルバム。
とにかくこれだけは必須。
映画内でも注釈が入りますが、ラストのルーフトップコンサートほぼそのままの音源も収録されています。
ただ諸々の事情もあってアルバム自体の完成度は低いというか、かなりラフな仕上がり。
その後にLET IT BE NAKEDが発売されましたが「アルバム」としての出来はこちらの方が断然良いです。
ちゃんとした音源として聴きたいのであればこっちの方が良いかも。聴き比べると音のクリアさにビビります。
ABBEY ROAD
もはやアルバムジャケットの方が有名かも知れない名盤。
上記の様に今回の映画ではアルバムLET IT BEの収録曲がメインではありますが、このアルバムのレコーディングシーンを始めいくつかの曲の原型も見る事が出来ます。
映画GetBack内ではこのアルバム収録曲のMaxwell's Silver Hammerでマル・エヴァンズが実際にハンマーで鉄床を叩いてるシーンが見られたりします。
ANTHOLOGY 3
アンソロジーはアウトテイク集だったり、デモやライブ音源が詰まった2枚組のアルバムです。
このアルバム自体が既にややマニアックというかオリジナルアルバムをある程度聴き込んでいて初めて楽しめる音源です。
ただ映画内で一致している音声などもあったりと、実際に聴いてるとより映画を楽しめます。
またDVD(VHS)のビートルズ・アンソロジー8ではメンバーがこの当時の事を語っていたりもするので、この時期の事を更に知りたければ見ておくのもアリです。
各種サブスクもおすすめ
もちろん音楽系のサブスクでも関連の音源などが配信されているので、利用するのも良いと思います。
例えばSpotifyなんかではルーフトップコンサートそのままの音源もあります。
違法アップロードも多いので少し勧めにくいですが、最悪YouTubeなんかでもいいのでこの辺りの曲だけはちゃんと聴いておくのが良いと思います。
映画GetBackは背景を知っているほど楽しめる
GetBackは「よくこんな映像が残されていたな」と思うほど、貴重で歴史的な価値もある映画だと思います。
ただ、それだけにビートルズにあまり詳しくない人や、ここから興味を持って聴いてみようという様な人には少し不親切というかわかりにくい点もある様に思いました。
どうせ見るなら少しでも楽しめる方が良いと思うので、良ければ参考にしてみて下さい。
コメント